弓道の残心の重要性とは?美しい残心を身につけるコツを紹介!

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【初心者が理解できていない「残身」の重要性】

「残身」は無理に取ろうとすべきものではない?

弓道を始めて間もない初心者は、いまひとつ「残身」の重要性を理解できていない方が多いように思います。

 

残身は射法八節のひとつに数えられていますので、なんとなく「重要なんだろう」とは知っていつつ、「なぜ重要なのか」を考える余裕はないのかもしれません。

 

シビアなことを言えば、残身は的中率そのものに影響を与えるわけではありません。

 

なぜなら残身を取るのはすでに矢を放ったあとですので、ここでどのような体制を取ろうとも、放った矢の軌道を変えることはできないからです。

 

それゆえに初心者は離れの段階で気を抜いてしまい、雑な残身を取ってしまうことも多いのでしょう。

 

では、どうして弓道の世界において、残身はこれほどまでに重要視されているのでしょうか。

 

今回は初心者向けに、残身の意味や重要性について詳しく解説していきたいと思います。

 

 

【残身は無理に取ろうとすべきではない?】

 

誤解を恐れずに言うならば、残身は無理に取ろうとすべきものではありません。

 

初心者はよく「残身のコツ」を知りたがりますが、厳密に言えば残身は「取ろうとして取るものではない」のです。

 

そもそも残身とは、矢の離れた後の姿勢そのものを指す言葉です。

 

矢が放たれた直後の姿勢こそが「残身」なのですから、意図して作る姿勢ではなく「自然と完成していた姿勢」であるべきなのです。

 

つまり、離れの直後に「残身を取ろうとする」という考え方が、すでに誤りであるといえるでしょう。

 

美しい大の字の姿勢ができたとしても、体が傾いて不格好な姿勢になってしまったとしても、その時点の姿勢こそが揺るぎない残身の結果です。

 

ゆえに少しばかり姿勢が崩れてしまった場合でも、無理に残身を取り直すことなどできません。

 

残身は自分の射を反省するための時間でもありますから、姿勢が崩れていたのならば、そのこと自体を反省して次に活かすことが大切なのです。

 

 

【美しい残身はどのようにして完成するのか】

 

残身は無理に取ろうとすべきではない…とすれば、「美しい残身」とは、どのようにすれば身に付くものなのでしょうか。

 

その答えは至ってシンプル。

 

射法八節における「離れ」までの段階を正しく行うこと…美しい残身というものは、本来たったそれだけのことで完成します。

 

残身は、

  • 足踏み
  • 胴造り
  • 引き分け
  • 離れ

までの動作を行った「結果」でしかありません。

 

そのため離れまでの動作を美しく行うことができれば、美しい残身が完成しますし、離れまでの動作に不手際があれば残身は不格好なものになります。

 

いわば、残身とは射における総決算のようなものなのです。

 

残身を美しく取りたいならば、射法八節における「残身」の段階ではなく「離れ」までの段階に気を配ります。

 

「残身」の段階に入ってから弓士が気にすることは姿勢を正すことではなく、「気を抜かないこと」「姿勢を崩さないこと」だけ。

 

つまりは、離れまでの動作で創り上げた精神と形を「維持する」ということに努めなければならないのです。

 

…などと言葉でいうのは簡単ですが、実践するとなると一筋縄ではいかないでしょう。

 

美しい残身を作るということは、言い換えれば「射法八節を完璧にこなす」ということなのですから。

 

しかしそれゆえに、弓道において「残身は重要である」と言われています。

 

射法八節を正しく守り、最後まで気を抜かず、格調や品位をおろそかにしない…そうした、弓士が意識すべきこと全てを凝縮した結果が「残身」に現れるのです。

 

 

【残身・残心・残芯の意味の違いとは】

 

これは余談ですが、「残身」という言葉にはいくつかの表記の違いがあります。

 

読み方は全て「ざんしん」ですが、

  • 「残身」
  • 「残心」
  • 「残芯」

などの使い分けが見られます。

 

流派によっては全て同じ意味に捉えている場合もあるようですが、本来はそれぞれ少しづつ違った意味を持っていることをご存知でしょうか?

 

残身

弓道において「残身」は、姿勢の維持を表した言葉です。
矢を放ったあとでも姿勢を崩さないという、肉体的な意味での「残身」ですね。

 

残心

そして「残心」ですが、こちらは精神的な意味合いの強い言葉です。
矢を放った後でも的の方向から注意を外さず、最後まで緊張を解かないという精神的な意味での「残心」です。

 

残芯

「残芯」は最後まで芯を強く持ち続ける…といったニュアンスが強いため、意味としては「残心」に近いですね。
こちらはあまり使われない表記ではありますが、なんとなく覚えておいても良いでしょう。

 

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