前離れになってしまう原因は?弓道の上達を阻害する厄介な射癖について

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【弓道で前離れを起こしてしまう原因は何か】

前離れになってしまう原因は?弓道の上達を阻害する厄介な射癖について

引き分けから会に達し、いざ放った矢があさっての方向へ飛んでしまったり、狙ったところに飛ばなかったという経験は、弓道をやっていれば誰にでもある経験でしょう。

 

初心者のうちは仕方のないことですが、いくら練習しても同じようなミスを繰り返すということであれば…もしかすると「前離れ」の射癖がついてしまっているのかもしれません。

 

前離れは非常に厄介な斜壁のひとつで、一度ついてしまうと簡単には直りません。

 

練習をしているうちに自然に直ったというケースは稀で、前離れになっていると感じたらそれ相応の改善策を取る必要があるのです。

 

改善策にもいろいろありますが、まずは

  • 前離れに至った「原因」をしっかり確認

しておいたほうがよいでしょう。

 

  • 前離れになる最大の原因は、主に「妻手(右手)」にある

と考えられます。

 

取り掛けの段階にて捻った妻手は、本来であればその捻りを解く必要はありません。

 

しかし前離れの斜癖がついてしまっている弓士の妻手を見てみると、ほとんど捻られていないのが確認できます。

 

正面から見ると、妻手の甲が見えてしまっている状態ですね。

 

正しく段階を踏んでいれば正面から妻手の甲が見えるようなことはないはずなので、これは異常な状態であるといえます。

 

この「異常な状態」こそが、前離れという結果を生んでしまっているわけです。

 

捻りが解かれた原因・段階については個人差もあるでしょうが、いずれにしても取り掛けの捻りが緩んだ状態では矢の向きが定まらないのも道理です。

 

思った方向に矢が飛ばなくなってきていると感じたら、前離れを疑って自分の射を見直してみるのがよいでしょう。

 

 

【前離れを直すことで弓道の実力は上がるのか】

 

これは特殊なケースともいえますが、ときどき「前離れなのに的には中る弓士」がいます。

 

さすがに社会人の弓士にはいないと思いますが、高校生〜大学生くらいに散見されるケースですね。

 

普通、前離れが身についてしまっているうちは矢が思った方向に飛んでいきません。

 

そのためほとんどの弓士は、前離れを改善するための努力をし、それを克服して一段上のステージに上るわけです。

 

ところが稀に、前離れを克服するのではなく「前離れでも的に中る方法」を編み出してしまう初心者がいます。

 

自分の妻手がズレていることを認識しながら、妻手を直すのではなく弓手や体そのものの向きを変更して調整してしまうわけです。

 

こう聞くと天才っぽい感じもしますが、弓道の世界で「自己流」というものは往々にして良い結果は生み出しません。

 

こうした選手ほど、前離れを指摘されると
「でも中っているんだから問題ないのでは?」
と疑問を抱いてしまいます。

 

今の状態でそれなりの的中率を誇っているだけに、前離れを直すことの必要性を感じられていないのです。

 

しかしハッキリと断言しておきましょう。

 

前離れは、必ず直しておくべきものです。

 

前離れの状態で的に中っている方ほど改善に時間がかかってしまうと思いますが、それでも努力して必ず直してください。

 

弓道における一連の動作は、何百年にも渡って洗練され続けてきたものです。

 

いわば推奨されている形こそが「最適解」となります。

 

その一箇所を前離れという間違った動作で崩してしまうと、他の動作も引っ張られて崩れていき、余計な射癖をどんどん生み出してしまう可能性が高いです。

 

また、前離れには腕や顔を弦で払ってしまう危険性を高めるというリスクもあります。

 

妻手が捻れていれば弦が体に接触することはほとんどありませんが、前離れで体の直線上に弦を持ってくると非常に危険です。

 

このように、前離れを放置しておくことには全く利点がないのです。

 

前離れのままでも的に中てることは可能ですが、その方法には膨大なデメリットが付きまとうということも理解しておくべきでしょう。

 

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