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引分けに含まれる「大三」の重要性
引分けが上手くできない初心者は、そもそも引分けという動作を「大三」と「引分け」の二段階に分けて考えると、上手く引分けることができます。
厳密に言えば大三は、引分けに移行する直前に行う動作です。
大三は別名「中力」とも呼ばれ、ザックリ言うと「弓を3分の1程度押し開く動作」のことを言います。
もともとは日置流紀州竹林派の技法だったと言われていますが、現在ではほとんど流派に関係なく大三の動きが取り入れられています。
日置流紀州竹林派の「押大目引三分一(おしだいもくひけさんぶいち)」が大三の語源であり、すなわち「押す力が3だとすれば、引く力は1にしなさい」という意味になります。
この考え方は、現在の弓道界にも引き継がれており、大三を行う際には押す力と引く力のバランスを取ることが重要になってきます。
意識してほしい2つのこと
大三を行う上での注意点はいくつかありますが、特に意識してほしいのは
- 「手の内を完成させること」
- 「肘の張りを作り直さないこと」
の2つです。
詳しくは以下でご説明しますが、共通しているのは「大三で姿勢や動作に変更を加えてはいけない」ということですね。
大三は重要な動作ですが、あくまで射法八節のなかでは「引分け」に含まれる一動作にすぎません。
弓道の動きは射法八節に集約されており、それ以外の部分で姿勢や動作に変更を加えようとすると、射形が崩れてしまう可能性が高いのです。
手の内は打起しまでに8割作っておき、肘の形は弓構えまでに完成させておく。
その上で、大三では手の内や肘の張りを変えないよう上手くキープしながら、スムーズに引分けに移行できるよう調整しなければならないのです。
1.大三の時点で手の内を完成させる!
大三を行う上での重要なポイントのひとつが
- 「大三の時点で手の内を完成させる」
ということです。
引分けてから手の内を作り直そうとする方がいますが、それでは上手く的が定まりません。
このことは、弓道教本にもハッキリと書かれています。
「大三にて手の内が定まる」と書かれていますが、言い換えるならこれは
- 「大三で手の内を作ったらそれ以降は手の内を作り変えてはいけない」
ということです。
教本にはサラっと書かれていますが、ここはかなり重要なポイントなので見逃さないようにしておきましょう。
- 引分けたときには、すでに手の内が完成している状態
でなければなりません。
しかし打起しで弓を強く握っていると、引分けに移行するときに手の内が崩れてしまいます。
「弓を強く握らない」という基本を守りながら大三を行えば、引分けに移行する段階には、手の内が完成した状態にすることができるはずです。
2.大三で肘の張りを作り直さない
大三を行う際に注意すべきことのひとつとして、
- 「肘の張りを作り直さない」
ということがあります。
意外と無意識にやってしまいがちな間違いなので、中級者も再確認しておいてください。
射法八節の中では、三節の弓構えの時点で肘が定まっていなければなりません。
弓構えで肩から指先までを含めた、腕全体の形を決めておくのが基本だからです。
特に、
- 肘の張りは弓構えから大三にかけて変更しない
ようにしておかなければなりません。
ところが、大三から引分けに移行する瞬間に、力を入れすぎて肘を曲げてしまう方がいます。
ここで肘を曲げてしまうと、今までの射法八節の全ての準備が無意味になってしまいかねません。
肘を作り直そうとしてグニャグニャと肘を曲げてしまうと、上手く会に入ることができなくなります。
大三を行う際には、
- 弓構えの段階で作った肘の張りをキープすることを意識
しておきましょう。
大三の解説動画
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