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足幅は必ずしも正確である必要はない
このような考え方が丸っきり間違っているというわけでもありませんが、しかし足踏みの際に開く足幅の広さは人によって異なるのが基本です。
そのため「○○センチくらい」という目安は、あまりアテにしないほうがよいでしょう。
そもそも足踏みは、射法八節のなかでも最も基本となる「正しい姿勢を作るため」の動作です。
センチ単位で決まった足幅を開くということだけに集中してしまうと、全体の姿勢が崩れてしまいかねません。
「正確に足幅を開く」のではなく、
- 「正しい姿勢を作れる足幅を探す」
のが本来の目的であるといえます。
正しい姿勢を作るためには、身長や体格に合った足幅の広さを見つけなければなりません。
何度か練習を繰り返して、自分に合った正しい足幅を見つけられるようにしましょう。
足幅と矢束の重要な関係性とは
安定して矢を放つためには、射法八節の基本である足踏みにおいて、自分に合った足幅を取らなければなりません。
では、自分に合った足幅とは、どのようにして見つけることができるのでしょうか。
いくつかの特殊な例を除けば、多くの弓士は
- 足幅を「矢束」を基準
にして探しています。
矢束とは自分の力で引き込める矢の長さのことで、実は適切な矢束と足幅の広さは、ほぼ同じだと考えられているのです。
正確なセンチ数を測る必要はありませんので、ひとまず矢束と同じくらいの広さに足幅を広げてみましょう。
すると、適当に足幅を取ったときよりも、遥かに安定した射が行えるようになるはずです。
ただし矢束の長さに合わせるというのも、あくまで目安です。
稀に矢束と同じ長さにした途端に無駄な力が入ってしまい、的中率を下げてしまったという方もいます。
そうした場合は、無理やり矢束に合わせなくても良いので、少しづつスタンスを変えて自分に合った足幅を探していきましょう。
正しい足幅を探す方法
「正しい足幅を探す」と言われても、そのやり方にピンとこない方は多いでしょう。
もっとわかりやすく言うならば、弓道における正しい足幅とは
- 「重心を乗せた立ち方」ができる足幅
のことを言います。
思い返してみてほしいのですが、アナタは足踏みを行う際に「体が安定している」と感じていますか?
例えば足踏みから胴造りにうつるまでに上半身が傾いたり、軽くふらついてしまった経験はありませんか?
もしも心当たりがあるならば、それはきっと足の裏に重心を乗せきれていないからでしょう。
正しい足幅を取ることができれば、足の裏全体に均等に体重が乗っている感覚があるはずです。
つまり正しい足幅を探す方法は意外とシンプルで、少しづつ足幅を変えて立ち、一番安定して立てる足幅を探せば良いというだけなのです。
どうしても足幅のセンチ数が知りたい方へ
正しい足幅は、何度も試行錯誤して探していくのが一番です。
しかし初心者のなかには、とにかく「何センチくらいなのか」という目安が欲しくなる方もいることでしょう。
そこで最後に、ある程度の目安として「正しい足幅の目安を計算する方法」をご紹介しておきます。
目安に過ぎませんので、必ずしも算出される数値が正しいとは限りませんが、自分に合った足幅を探し当てるための足掛かりにしてみてください。
足幅の目安を計算するためには、まず正しい矢束のセンチ数を算出する必要があります。
先ほども解説した通り一般的には「矢束の広さ≒足幅の広さ」と言われていますので、矢束の広ささえわかれば、自ずと足幅の広さも判明するというわけです。
矢束の広さは流派によって算出方法が異なるのですが、
- 「身長×0.55」
という計算式が最も手軽です。
これは一般的な手足の長さをしている方の場合、矢束の長さはだいたい身長の55%くらいになるだろうというデータに基づいた算出方法です。
例えば身長160pの方の場合、計算式は「160×0.55=88」になるので、身長160pの方の矢束の広さは88pが目安ということになります。
加えて、「矢束の広さ≒足幅の広さ」という法則があるため、身長160pの方の正しい足幅の目安も同様に88pであることがわかるわけです。
このように正しい足幅の目安は、非常に簡単な計算で算出することができますので、興味のある方は自分の身長に照らし合わせて計算してみてください。
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