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年齢や性別による弓の強さの違いについて
個人のポテンシャルによって「弓を引く力」は異なるのが当たり前なので、弓の強さも自分に合わせて調節する必要があります。
- 弓を引くのに大きな力が必要なら「弓が強い」
- 軽い力で引ける弓なら「弓が弱い」
という言い方をします。
たまに「弓が重い・弓が弱い」という言い方をしている方がいますが、弓道の世界で「弓が重い」は「弓そのものの重量が重い」という意味になるので、間違った表現になります。
弓を引く力の話をしたいときは、必ず「弓が強い・弓が弱い」という言い方をするようにしましょう。
さて、その「弓の強さ」を表すのが「弓力」という基準です。
流派や好みによって若干上下しますが、一般的には
- 「体重の3分の1×70〜80%」
もしくは
- 「握力の半分×70〜80%」
というのが、自分に合った弓力の目安だとされています。
勘の良い方はお気づきでしょうが、適性弓力の計算には「体重」もしくは「握力」が必要になるため、子供や女性の弓力は軽くなるのが普通です。
つまり
- 小学生〜中学生の弓士が使っている弓
- 高校生以上が使っている弓
- 女性が使っている弓
- 男性が使っている弓
では、弓の強さが全く違うというのが一般的なのです。
弓力によって矢を向ける角度が違う
あくまで目安ですが、中学生以下の弓士は10s以下の弓を使うことが多いかと思います。
高校生以上になると体ができて筋力もついてくるため、10s〜15sくらいの弓を使っている方が多くなってきます。
女性の場合は8〜10sくらいの弓を使うことも多く、男性の場合は少なくとも同年代の女性の+2〜3sの弓を使うのが一般的でしょう。
勘違いしないで頂きたいのは、弓力が強いからといって必ずしも有利であるという訳ではないということです。
しかし、
- 弓力が違うと「矢を向けるべき角度」が異なる場合がある
というのは事実です。
弱い弓で射った矢を的に届かせるためには、相応の工夫が必要になるということを頭に入れておきましょう。
強い弓では矢を床と平行にする
弱い弓を使って的中させるコツをお話する前に、まずは基準の話をしておきたいと思います。
まずは、最低でも12s〜14sくらいの強さの弓を使う場合のコツをおさらいしておきましょう。
教本を読んでみると「矢は的に向けて水平に」と書かれていることが多いと思います。
弓道の的は自分から見て水平方向にあるのですから、当たり前といえば当たり前ですね。
矢を水平に向けたまま放ち、それが水平に飛んで行って、的に水平に中るというのが理想形です。
ただしこの考え方は、ある程度強い弓を使った場合を想定している、ということにお気づきでしょうか?
強い弓というのは、それだけ射出する力が大きいということですから、水平に向けて矢を射っても、失速せずに的まで届きやすいということになります。
使っているのが強い弓であればあるほど、水平に矢を向ける効果は大きくなっていくと考えて良いでしょう。
弱い弓では少し上の角度を狙う
さて、それでは弱い弓を使った場合はどうでしょうか。
弱い弓で水平に矢を射った場合、放たれた矢がどのような動きをするか想像してみましょう。
8〜10sくらいの弓を使っている方なら、全くの水平に矢を射っても絶対に「的に中らない」とすぐに想像できたのではないでしょうか。
そう、弱い弓で矢を水平に放つと、的に中る前に失速してしまうんです。
さすがに地面にポトリと落ちるとまではいきませんが、矢はゆるやかなカーブを描いて、的下の安土に突き刺さってしまいます。
矢のように空気抵抗の少ない物体でも、射出する力が弱ければ的に届く前に力を失ってしまうんです。
「的に届かない」というのは、弱い弓を使っている初心者が、最初にぶち当たる壁のひとつでもあります。
この壁を乗り越えるために「弓の強さによって矢の角度を変える」という感覚を身に着けることが重要になってくるわけです。
- 弱い弓を使っている場合、「矢は失速する」ということを計算に入れておく
必要があります。
矢は空気抵抗を受けて失速するとき、わずかに山なりのカーブを描いて下に落ちるので、あえて「少し上の角度を狙う」ということが必要になるわけです。
とはいってもその角度は本当に微妙なもので、ほんの数センチ程度傾けるだけでも結果が変わってきます。
弱い弓で的に届かせるためには、斜め上を狙うようにして何度も射を行う必要があるでしょう。
実際に使っている弓の強さや体格によって「何センチ上を狙うべきか」というのは変わってくるので、何度も練習を繰り返して自分に適した角度を探し当てましょう。
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