弓道的中率を飛躍的に上げ怪我のリスクを下げる手の内の作り方とは?

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間違った手の内はデメリットだらけ

的中率を上げ怪我のリスクを下げる手の内の作り方とは

弓道を始めた方の多くがぶち当たる壁として「手の内」がよく挙げられます。

 

手の内とは弓手の指の揃え方のことで、弓道において上級者になるためには避けては通れない技術です。

 

一見すると簡単そうに見える手の内ですが、実は弓道の技術の中でも、最も修得に時間がかかるもののひとつとも言われているのです。

 

手の内がしっかり整っていない状態でも、矢を射ることは可能です。

 

しかし間違った手の内を続けているうちは、数々のデメリットに悩まされることになるでしょう。

 

手の内が出来ていないうちは、まず的中率が一向に上がりません。

 

指の置き方が歪んでいるために弓の角度がズレやすく、矢を放った衝撃で弓が小刻みにブレてしまうからです。

 

昇段試験では、二段くらいまでは入退場と射法八節さえできていれば、矢が一本も的に当たらなくても合格できます。

 

しかし三段からは、全く的に当たらない状態では合格することが難しくなってきます。

 

すなわち、手の内の作り方は

  • 最低でも三段を受験するまでには覚えておく

べきだといえます。

 

さらに、

  • 間違った手の内は怪我の原因

にもなりかねません。

 

小指にマメができてしまったり、人差し指と親指の間の皮が剥けてしまったりと、手の内が原因となる怪我は初心者にとっての大きな悩みです。

 

弓道家にとっては付き物と思われがちな手の怪我ですが、実はこうした怪我も、手の内の作り方を学び直すことで激減させることが可能なのです。

 

的中率を下げ、怪我の原因となる「間違った手の内の作り方」は百害あって一利なしです。

 

手の内の作り方に不安のある方は、できる限り早急に矯正したほうがよいといえるでしょう。

 

 

手の内を理解するために知っておくべき用語

正しい手の内の作り方を解説する前に、初心者がつまづきがちな専門用語を解説しておきます。

 

弓道には多くの専門用語がありますが、特に手に関する用語はかなり細かく指定されます。

 

通常は「手のひら」と一括りにされる部分も、弓道では

  • 「虎口」
  • 「掌根」
  • 「掌心」
  • 「天紋筋」
  • 「手心」

に分けられます。

 

手の内の作り方は非常に繊細なので、これらの言葉が指す部分を、しっかりと覚えておくことが手の内を理解するための第一歩になります。

 

虎口(ここう)

虎口は、

  • 人差し指と親指の間

のことです。

 

手の内を作るときは、虎口に弓を挟み込むようなイメージを持ちます。

 

たまに間違われますが、親指の付け根にある「角見」とは別なので注意しましょう。

 

天紋筋(てんもんすじ)

天紋筋は、

  • 手のひらの中心あたりを通っている横向きの直線

です。

 

人差し指から小指までの第三関節を同時に曲げると、ちょうど真ん中に線が現れます。

 

この直線部分をまとめて天紋筋と呼びます。

 

掌根(しょうこん)

掌根とは、

  • 手のひらの付け根にある部分

です。

 

ちょうど、小指から手首に向かう直線状の付け根にある膨らみが掌根となります。

 

正しい手の内を作る手順

  1. 弓の外側(外竹)に天紋筋を当てる。
  2. 親指の根本と小指の根本を近づけるようにして掌根を閉じる。
  3. 小指を曲げて弓を軽く挟み込む。
  4. 虎口で弓を挟み込む。このとき親指の爪は上を向くようにする。
  5. 親指と小指の隙間にはめ込むようにして、中指と薬指を曲げる。

 

間違った手の内にしないための注意点

親指と中指の間にスキマを作ってはいけない

流派によって例外はありますが、親指と中指の間にはスキマを作らないのが一般的です。

 

前述の「正しい手の内を作る手順」では、「親指と小指の隙間にはめ込むようにして、中指と薬指を曲げる」とご説明しましたが、「はめ込むように」というのはスキマを作らないために必要な工程なのです。

 

親指と中指の間にスキマはいわば「クッション」のような役割を果たすことがあり、矢を放つときの衝撃を吸収してしまいかねないからです。

 

せっかく力を込めて矢を放っても、親指が力を吸収してしまうので、矢が思ったような勢いでは飛ばなくなってしまいます。

 

指先に力を入れない

弓を握るときには、指先に力を入れすぎてはいけません。

 

弓道上級者は見た目こそ、弓をグッと握りしめているようですが、実際には力を加えているのではなく指の形で固定しているだけです。

 

指は曲げずにリラックスした状態で、虎口にと掌根に押し付けた部分だけで、弓をキープするイメージです。

 

親指を横に向けない

人間の手は普通に物を握ると、親指が横を向く構造になっています。

 

しかし弓の持ち方というのはちょっと特殊で、親指は必ず上に向くようにしなければなりません。

 

手の内を作ったとき、親指の爪が上に向いていれば正解です。

 

手のひらで弓を巻き込むのではなく、弓を虎口に挟むようにして持てば、親指は自然と上向きになるはずです。

 

こうすることで、弓手が弓の反発力に負けず、的が左右にぶれることを防いでくれます。

 

 

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