弓道の射形と的中率を安定させる重要な3つの場面での呼吸方法とは?

おすすめの弓道・アーチェリー教材

射形も的中も底上げする呼吸

呼吸で射を安定させる方法

武道でもスポーツでも、パフォーマンスの向上に重要な「呼吸」。

 

弓道においても、呼吸は射形や的中だけでなく、精神的にも影響するとても大切なものです。

 

呼吸を整えることが出来れば、

  • 自分の射のリズムを作ってリラックス出来たり
  • 無駄な力を抜いたり

と、色々なところで射の底上げを図ることができます。

 

射場入場の時から射法八節、退場のときまで、どの動作・体配のときでも呼吸は大切ですが、その中でも正面打ち起こしの場合に射形と的中に最も影響を与える

  • 「打ち起こし」
  • 「引き分け」
  • 「会」

の3つにおける呼吸法のポイントをご紹介していきますね。

 

重要な呼吸@:打ち起こし

全体的に動作がゆっくりな弓道ですが、動作の原則として

  • 「吸うときに動作を行い、吐くときに力を抜く」

ことが挙げられます。

 

この打ち起こしについても、この原則があてはまります。

 

  1. 弓構えから打ち起こす間はゆっくりと息を吸い
  2. 打ち起こしが終わったところで動作を停止し、
  3. 一度大きく息を吐きます。

 

ここで大きく息を吐くことで、両肩の力が抜けて余裕が生まれ、肩のおさまりが良くなります。

 

この呼吸で作った「肩が下がった状態」をキープしながら、次の引き分けに繋げて行きましょう。

 

重要な呼吸A:引き分け

打ち起こし後に息を吐いて肩の力が抜けたら、その肩の状態をキープしながら引き分けに移っていきます。

 

このときも、
引き分けに入る動作のときは息を吸い、引き分け後、会に入る前に息を吐いて肩を落とした状態をキープ
しましょう。

 

引き分けは、押手と勝手それぞれが非常に繊細な動作を必要とされ、この引き分けによって会のおさまりが大きく変わってしまいます。

 

  • 押手は手の内を意識しながら腕の入れ具合と押しを注意し
  • 勝手は肘の張りや角度に細心の注意を払いながら
  • 手首も力まず力を抜き過ぎずのギリギリのところを会に向けて伸びていきます。

 

このとき、呼吸がいつものペースと違うと特に勝手の調子が狂いがちです。

 

  • 勝手首と額との距離
  • 肘の角度
  • 張り方

など、呼吸を整えることでいつもの射形が出来るようにしましょう。

 

 

重要な呼吸B:会

同じ姿勢を維持しているように見えて、常に左右に伸び続けている会。

 

伸びが限界に達したとき、満を持して離れますよね。

 

人間の筋肉は呼吸していないと伸びません。

 

屈伸運動も呼吸を止めて行うと伸びが悪いですが、息を吐きながら屈伸することで、身体を柔らかく使いきることが出来ますよね。

 

それと同様で、

  • 会も呼吸を意識する

ことで最大限に伸びることが出来ます。

 

具体的な呼吸法としては、
引き分けから会にかけて、ゆっくりと息を吐きながら両肩を落としておさめていきます。

 

ポイントは、

  • 引き分けまで維持した「肩を落とした状態」を、そのまま会に繋げる

ことです。

 

会に入ったら、息が苦しいと早気にも繋がるので、腹式呼吸で少し息を吸っても良いですが、大きく息を吸うと肩が上がったり力んだり伸びが悪くなるので、吸うのはほどほどにして、息を吐いて伸び合いを感じましょう。

 

その息を吐いた状態で離れます。

 

 

呼吸を整えて心身共に安定を

一流のスポーツ選手も、試合前に自分ならではのルーティンを持っている方も多いですよね。

 

弓道も一緒で、入場の時からいつもと同じ呼吸を行うことで、いつも通りに弓を引きやすくなります。

 

試合でも、入場前はガチガチに緊張していたとしても、いつもと同じ呼吸で入場していくことで、立ち位置に着く頃にはいつもの稽古と同じ感覚になってきて、集中力も高まりますよ。

 

射形や的中の効果だけでなく、精神的にも落ち着きと安定を与えてくれる呼吸法を身につけて、全体的な技術向上を目指しましょう。

 

弓道で上達する方法


弓道で上達していくためには、
  • 基本的な知識
  • コツ
  • 練習方法
などを知っておく必要があります。
それらを知っていることで、指導された内容を深く理解でき、記録を伸ばすことにつながるでしょう。
そのような基本的な知識やコツ、練習方法を無料メールマガジンで配信しております。
ぜひご登録ください。

弓道で上達していくには
  • 一流の人がどのような練習や考え方をしているのか?
  • 一流の指導者がどこをポイントとして指導しているのか?
を知ることが、一番の近道です。
それらを知ることができる、おすすめのDVDがこちらです。
ぜひご覧ください。
弓道上達革命
増渕先生のDVD「弓道上達革命」では、上手い弓道家全てに共通している
  • 『手の内』
  • 『射形の美しさ』
  • 『集中力と精神力』
  • 『射技の美しさ』
  • 『離れでの理想的なタイミング』
  • 『体配の極意』
など、上手い弓道家に必要な「全て」を、このDVDプログラムで強化&改善することができます。

弓道上達革命 〜初心者と指導者向け〜【天皇杯覇者 教士七段 増渕敦人監修】DVD2枚組

弓道射法八節習得プログラム
土佐正明先生の「弓道射法八節習得プログラム」では
  • 中・貫・久に関する悩みの解消
  • 思い描いた通りの動作が習得できる
  • 射法技術の向上
  • 皆中の喜びを知る
  • 武道精神がより培われる
など、シンプルでありながら重要素がいっぱい詰まったプログラムとなっています。

弓道射法八節習得プログラム〜射法八節を習得して中・貫・久を鍛え試合に勝つ方法〜【天皇杯覇者 土佐正明 監修】

弓道上達の極意
松尾先生の「弓道上達の極意」では
  • 「的中率を上げるための方法」
  • 「早気を解消する方法」
  • 「正しい射法八節」
  • 「正しい道具の扱い方」
  • 「結果につながる指導方法と練習方法」
など、弓道に必要な全てをこのプログラムで強化&改善できるようになっています。

弓道上達の極意〜的中率アップの練習法〜【筑波大学体育会弓道部部長 松尾牧則 監修】

関連ページ

的中に走ったら負け!自分を強く保つ気持ちの持ち方
弓道の稽古をしていくと、時々出会うのが「的中に走っている人」。地道に射形の稽古をしている人にとって、試合などで射形を軽んじているのに的中で入賞している人を見ると「なぜあんな射形で中るの?」と、つい悔しくなってしまいますよね。的中が全てではないことをわかっていながらも、つい的中に走っている人を羨ましく感じたり、射形のスランプに陥って稽古のモチベーションが保てなくなったりしたときに、自分を奮い立たせて射形の稽古をするための考え方を今回はご紹介していきます。
見取り稽古の効果を上げる方法3つ
弓道上達の有効な手段である見取り稽古。「本当に見ているだけで弓道が上達するの?」と思ってしまう方もいるかと思いますが、良い射を知り、良いイメージを持つことは自分の射の改善にとても役立ちます。しかし「ただ見ているだけ」ではなかなか上達スピードは速くなりません。ただダラダラと時間が過ぎてしまいがちな見取り稽古だからこそ、しっかりと自分の頭で考えながら見取り稽古を行うことが上達への早道と言えます。そこで今回は、見取り稽古を最大限に生かすためのポイントを3つご紹介していきますね。
弓道の上達には「データを取る」ことが役立つ
弓士として上達したいなら「データを取る」ことをオススメします。非常に単純な作業なのですが、これを疎かにしている選手が意外に多いんです。データを取るといっても、そこまで細かい作業を必要とするわけではありません。今日の練習における的中率であったり、意識して練習したこと、指導者に注意されたことなどを日記形式で書き記しておくだけでも良いのです。「注意すべきこと」として書き記したことは忘れにくく、実際の練習中でも思い出しやすくなるので射癖を治すことにも非常に役立つのです。
的中率に大きく影響する弓道のフォームの8つの基本とポイントとは?
弓道は、剣道や柔道と同じように、フォームに気をつける必要があります。昇段試験の時には特に重要であり、フォームが悪ければたとえ皆中しても昇段できないこともあるほどです。しかしフォームがしっかりできていると、実は的中率にも影響を与えます。一体何故なのか、フォームの基本とポイントを見ながら、その理由も確認しましょう。
弓返りができないのはなぜ?初心者がつまづきがちな弓返りのコツ
弓返りとは弓を引き尺いっぱいに引き、離れに至ったときに弓手の中で弓が回転することを言います。意図的に回そうとするのではなく、矢を放ったときの勢いで「自然に回る」のが弓返りです。弓の構造上、正しい射法で矢を放てば弓は勝手に回るはずです。それが回らないというのであれば、何らかの原因で「弓の回転を止めてしまっている」と考えるのが自然でしょう。流派によってはあまり弓返りをしないよう意図して止めるところもありますが、弓返りを推奨している流派で弓が回らないなら原因を突き止め、対策を練る必要があるといえるでしょう。
弓道射癖を作らない馬手の肘と肩の大切な使い方とは?
弓道では「肘」の使い方がしばしば重要視されます。 初心者にとっては手の内など、手首から先の使い方が難しく思えるため、肘の使い方を学ぶことは後回しにされてしまいがちです。 しかし肘の使い方を疎かにしていたことが、後に厄介な射癖を生みかねないということは早めに知っておくべきでしょう。 今回は肘の使い方…とりわけ「馬手」の肘の使い方について解説していきたいと思います。