くすねを使うメリット

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意外と使い方が知られていないくすね

くすねを使うメリット

よく名前は聞くけれど、イマイチくすねの使い方がわからないという方は意外と多いと思います。

 

特に学生などはくすねの使い方がよくわからず、弓道部の部室にくすねが埃をかぶって置いてある・・・なんてこともあります。

 

しかしくすねは弦の補強だけでなく、昔は接着剤としても使っていた便利なものです。

 

今回はくすねの使い方をまとめていくので、くすねとその使い方を知ってより弓道の知識を深めましょう。

 

そもそもくすねとは

くすねとは松脂と燈油(菜種油や胡麻油)を混ぜて煮溶かし、練って適度な堅さにしたもので、「天鼠」と書いたり「薬煉」とも書いたりします。

 

昔は補強のために弦に塗ったりするほか、握り皮や矢摺籐の接着に使ったりするなど、かなり幅広い用途で使われていました。

 

しかし最近では木工用ボンドなど手軽に使える代用品があることから、くすねを使う人は減ってしまいました。

 

「手ぐすねひいて待つ」という言葉がありますが、実はこれはくすねが語源の言葉。

 

流鏑馬の際に弓返りしないよう、押手にくすねをつけて待つことから「準備万端にして待つ」という意味で使われています。

 

昔は弓返りを防ぐためにも、くすねが使われていたとは驚きですよね。

 

最近では使われる用途が減ってきているくすねですが、未だに弦の補強だけはくすねを使われる方が多いかと思います。

 

最近では便利なチューブに入っていたり、季節に応じて油分の調整をしたりしたくすねも売られているので、使いやすくなっています。

 

弦の補強に使えるくすね

弦の補強に使われるくすねですが、特に効果を発揮するのは麻弦です。

 

麻は2メートルほどしかないため、撚り合わせて長い1本の弦が出来ているため、合成弦よりも毛羽立ちやすく、また太さが安定しません。

 

そのため

  • 稽古の度にくすねを使って弦をコーティングしていく

ことで、毛羽立ちを抑えて美しさをキープし、さらに麻に染み込んでいくことで弦の補強をすることが出来ます。

 

合成弦でも、くすねを使って弦の補強をすることは出来ますが、合成弦は繊維がしっかりしている上弦の太さも安定しているため、毎回くすねを使わなくても大丈夫です。

 

 

中仕掛作りでも使えるくすね

最近では木工用ボンドで、中仕掛を作る人の方が多数派だと思いますが、実は中仕掛はボンドで作るかくすねで作るかで、使い心地が変わります。

 

ボンドで作るメリットは、気軽に修理することが出来ることです。

 

しかし、湿気に弱いため雨の日などに矢番えの感覚がいつもと異なったり、矢筈で傷つきやすく、くすねで作った中仕掛よりも頻繁に修理しなければならなかったりするというデメリットもあります。

 

一方

  • くすねで作るメリットは、一度作った中仕掛は丈夫で天候にも左右されにくい

ということです。

 

筈で傷つきにくいため、矢番えもスムーズで矢こぼれも少なくなります。

 

しかし、くすねを使う前には温めるなどの手間がかかること、また一度作ってしまった中仕掛が太すぎるときの削る作業が大変、と言うデメリットもあります。

 

それぞれメリット・デメリットのあるボンドとくすねですが、初心者の方はまずはボンドで中仕掛を作ることがおすすめです。

 

失敗しても簡単に修理したり、道宝をかける練習をしたりするのにボンドの方が向いているためです。

 

ボンドで慣れてきたら、くすねでより使い心地の良い中仕掛を作りましょう。

 

 

くすねを使いこなして技術も知識も底上げ

昔合戦の場では、弦が切れることは自分が死ぬかもしれないほどの一大事。

 

弦も補強してくれ、中仕掛や握り皮、さらには矢摺籐の修理まで行うことができるくすねは、無くてはならないものだったでしょう。

 

現代では使う場面が少なくなっているくすねですが、慣れてきたら敢えてボンドは使わずに、昔ながらの方法で弓具を修理したりするのも、歴史ロマンを感じられて良いですよね。

 

ぜひくすねを有効活用してみてくださいね。

 

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