かけの黒ずみの原因と対策方法

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気になるかけの黒ずみ

かけの黒ずみの原因と対策方法

新しいかけを使い始めて、徐々に黒ずみが出てくると気になりますよね。

 

お気に入りのかけだからこそ、きれいな状態をキープしたいにも関わらず、どうしても増えていく黒ずみ。

 

中指の関節のところならまだしも、手首付近が黒くなることもあります。

 

鹿の皮で出来ているかけは、水や薬剤をかけることも出来ないので、お手入れはどうしたら良いのかと悩みますよね。

 

しかし使っているうちにかけが黒ずんでくるのは当然のことです。

 

そのため、多少の黒ずみは「稽古に励んだ証拠」としてとらえ、気にせずにそのままかけを使用して構いません。

 

しかし、どうしても黒ずみが気になって取りたい場合や、黒ずみがテカテカしてきて滑りやすくなっているなど、使い心地が悪い場合の、黒ずみの除去方法をご紹介します。

 

かけの黒ずみの主な原因はぎり粉

かけの黒ずみの原因は、弦の松脂や汚れが汗や空気中の水分も付着したものと言われています。

 

弓を引く以上、松脂や空気中の湿気などは対処しようがないですよね。

 

しかし、

  • かけの黒ずみの一番の原因はぎり粉

です。

 

余剰なギリ粉が汚れとなって、かけにこびり付いてしまうことがいけないのです。

 

かけがキレイな人と黒ずんでしまう人は、ぎり粉の付け方の差が大きいようです。

 

ぎり粉をつけ過ぎると、梅雨時期などは特にぎり粉が固まりやすく離れがしにくくなり、的中にも影響が出てしまうことがあります。

 

かけの黒ずみを防ぐために、稽古後はハブラシなどで余分なぎり粉を払うことを注意しましょう。

 

かけの黒ずみは水分でも起こる

かけの黒ずみは汗や湿気などの水分でも起こります。

 

例えば、矢取りから帰って来てばかりの矢尻。

 

安土の土や土の水分が付着していると、矢を持った時にその水分がかけにも付き、黒ずみとなってしまいます。

 

そのため、気になる方は

  • 矢尻は一度拭いてから使用する

と良いです。

 

また自分の汗でもかけの黒ずみは発生します。

 

汗対策としては、

  • 下掛けを2枚重ねにしたり小さい下がけは使わないこと
  • 手首の汗はこまめに拭いたりすること

が有効です。

 

 

かけの黒ずみを取りたいとき

鹿の皮で出来たかけはデリケートなので、洗ったりすることも出来ず、基本的に黒ずみが出来たら我慢するしかありません。

 

しかしどうしても黒ずみを取りたい場合は、

  • サンドペーパーや砂消しゴムで擦ったり、かなり頑固な汚れは軽石で擦ったりする方法

があります。

 

かけの皮への負担をより軽減するために、

  • ベビーパウダーをまぶしてから優しく丁寧に擦る方法

もあります。

 

また、最終手段は

  • ベンジンで拭き取るという方法

があります。

 

いらない布にベンジンを染み込ませ、かけをやさしく擦ることで、黒ずみが取れていきます。

 

しかしベンジンのような液体、ましてや薬剤をつけることは、かけの変形などの大きなリスクがあることを念頭に置かなければいけませんし、ベンジンを使用したからといって、黒ずみが全て取れる訳でもありません。

 

あくまで黒ずみ対処の最終手段と思って、出来るだけ行わないようにしましょう。

 

 

一度黒ずんだかけを元に戻すのは難しい

いかがでしたか?

 

多少の黒ずみはどうしても発生するものなので、「稽古を頑張った証拠」思いと気にする必要はありません。

 

しかし、お手入れ不足で起こるかけの黒ずみは別です。

 

湿気対策が出来ていない、ぎり粉の付け過ぎなどは、後々射形や的中にも影響しかねない重要なことです。

 

そのため、中指の関節以外のところは、出来るだけ黒ずみを作らないような意識を日頃からすることが重要です。

 

かけのお手入れは「汚れを取ること」ではなく「汚れを付けないこと」だと意識して、お気に入りのかけを長持ちさせましょう。

 

 

稽古時の湿気対策

まず稽古時暑いときは、

  • 下がけを2枚使う

のがおすすめです。

 

「下がけを2枚も使うと手首が動きにくいのでは」
と思われるかもしれませんが、買ってから何度か洗濯したようなこなれた下がけならば、すぐ慣れると思います。

 

もし下がけの2枚重ねはどうしても嫌という方は、

  • 稽古中に下がけをこまめに取り換える

のも良い策です。

 

30分に1回程度取り換えれば、かなりの手汗対策になります。

 

下がけは安いものだと100円前後で買えるので、多めに持っておくと安心ですね。

 

また、矢取りに行く際は必ずかけと下がけを離して、開いた状態で行くようにします。

 

また、かけを外した後に下がけを指でつまんで扇風機のように振り回すと、少し暑苦しさと汗が取れるのでおすすめです。

 

稽古後の湿気対策

稽古後のお手入れは、王道ですが

  • 陰干し

が良いでしょう。

 

風通しの良い場所にかけを引っかけて吊るします。

 

洗濯バサミなどで留めると跡がついてしまうので、ぶら下げるような形で干します。

 

かけを干す際は、直射日光に当てないことを注意してください。

 

直射日光にあたると、かけは皮が固くなったり退色したりして、使えなくなります。

 

梅雨時期は外にも干せないと思うので、家の中で風通しの良い場所に吊るすのが良いと思います。

 

また、汚れが気になるから絞った雑巾で拭く、ニオイが気になるからうっすらとファブリーズのような消臭剤をかけるといったことは、絶対にしないでください。

 

ほんの少しでも液体にかかると、かけの皮は黒くつぶれて縮んでしまいます。

 

 

保管時の湿気対策

保管時に大切なことは、

  • かけと下がけを別々にすること
  • 乾燥剤を一緒に入れること

です。

 

洋服タンスに入れるような乾燥剤で良いので、かけと下がけそれぞれ用意し、かけと下がけの中に入れたうえで、通気性の良い袋や缶のなかに入れて保管します。

 

下がけは保管袋から出してかけとは別にして、帰宅したらすぐ洗濯するのも良いですね。

 

ただしかけを長期間使わずに保管する際は、乾燥剤は数日経ったら使わない方が良いです。

 

長期間かけと乾燥剤を一緒にしまっておくと、かけの皮が固くなってしまいます。

 

十分かけが乾いたら乾燥剤を取り出して、かけだけ通気性の良い袋に入れてしまっておきましょう。

 

 

湿気対策でかけのベストコンディションを維持しましょう

湿気にも直射日光にも弱い、デリケートなかけ。

 

鹿の皮で出来ている天然素材なので、長く使うにはそれなりの注意が必要です。

 

しかしそうは言っても、一度慣れてしまえばかけのお手入れは簡単。

 

まずは下がけ数枚と乾燥剤を準備しましょう。

 

梅雨時期は、じめじめとして稽古や弓具のお手入れも面倒に感じてしまいます。

 

しかし、梅雨が明けた後の夏から秋にかけては、試合や昇段審査がたくさんありますよね。

 

夏から秋のシーズンをベストコンディションで過ごすためには、梅雨時期の弓具のお手入れは大切です。

 

かけの湿気対策をしっかり行って、お気に入りのかけを長持ちさせましょう。

 

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