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【弓道三大射癖「緩み離れ」とは?】
射癖の種類は数ありますが、なかでも注意すべきなのが「弓道三大射癖」と呼ばれているものです。
弓道三大射癖に数えられているのは
- 「緩み離れ」
- 「早気」
- 「ぶすき」
の3つ。
今回は、そのなかでも中級者〜上級者を悩ませる「緩み離れ」について考察していきたいと思います。
緩み離れとはその言葉の通り、離れの段階で緩んでしまう射癖のことを指します。
離れで緩むと矢の軌道がズレるため、当然的中率が下がってしまうのですが…厄介なことに、緩み離れにかかった人の多くは「なぜ的中率が下がったか気付けない」という特徴があります。
ザックリ言うと緩み離れは「慣れ」によって引き起こされる射癖であるため、本人にとっては単なる「スランプ」程度に捉えられてしまうことが多いのです。
一度緩み離れを起こしてしまうと、人によっては改善までに数年を要することもあるといいます。
なかには、緩み離れを直すことができずに弓道の世界を去ってしまうなんて方も…。
本人にとっては原因がサッパリ分からずに的中率が下がり続けるのですから、弓道が楽しくなくなってしまうのも無理のないことですよね。
もしもアナタが近頃スランプを感じているのなら、緩み離れに陥っていないかどうか疑ってみてください。
確かに緩み離れは直すのが難しい射癖ですが、正しく原因を知って対策すれば必ず直せるはずです。
【緩み離れの原因@妻手肘が前に収まっている】
緩み離れを起こしている人をみてみると、
- 妻手肘の位置が間違っている
ことが多々あります。
妻手の位置が前方にズレている「前収まり」という状態です。
妻手が前にズレている状態で弓を引くとどうなるか想像してみてください。
どうやっても弓の反発力を腕だけで引っ張るしかありませんよね?
つまり妻手の位置が間違っていると、人間の身体の構造的に緩み離れにならざるを得ないわけです。
この状態を脱却するには、
- 弓を大きく引くことを意識する
のが大切です。
また、
- 大三から引き分けにかけて、矢を自分の身体に向けて引き付けるイメージで引き方を矯正
するのも良いと思います。
この2点に注意すれば、妻手の前収まりは自然と解消されていくはずですよ。
【緩み離れの原因A弓の引きが小さい】
妻手の位置がズレているという原因に続いて多いのが、単純に
- 弓の引きが小さい
というものです。
引きが小さいと右肩を入れることができないため、腕の力だけで弓を引かざるを得なくなってしまいます。
どれだけ上級者であっても、腕力で引いて緩まず離すことはできません。
弓の引きが小さいままでは緩み離れを改善できませんので、まずは「弓を矢束分しっかり引く」という基本に立ち返りましょう。
【緩み離れの原因B妻手に力を入れ過ぎている】
- 妻手に力を入れてしまう
と、緩み離れが起こる確率が格段に上がってしまいます。
なぜなら、妻手に力が入ると「手先だけで弓を引く」という状態に陥りがちだからです。
会から離れに移行する段階で、妻手に力を入れていると手のひらを開くことも困難になります。
そのまま無理に手を開くには腕力に頼るしかないため、結果として手先だけで弓を引いてしまうことになるわけです。
しかし妻手に力を入れ過ぎている方は、
- 身体で弓を引く感覚
さえ覚えれば緩み離れから抜け出せます。
腕の力に頼らず、背中・胸・肩など、
- 上半身全体を上手く使って引けるように練習
していきましょう。
【緩み離れの原因C平付けになっている】
射癖の一種で、
- 取懸けで手の甲が完全に外側を向いてしまう
現象を「平付け」と言います。
脱線してしまうので平付け自体の原因は省略しますが、平付けが出るとたいてい緩み離れも併発してしまいます。
平付けのままだと、よほど指先に力を入れない限りは弦を保持することができません。
指先に弦を引っ掛けるというよりは、弦をつまんでいるような状態ですから、かなり指先に力を込めないと引き分けの途中で離れてしまいますよね。
これでは離れの段階になって、妻手を意図的に緩めなければ離れられない状況に追い込まれてしまいます。
平付けの自覚がある方は、緩み離れよりもまず平付けを矯正して基礎を固めておくとよいでしょう。
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