アーチェリーの構えアンカリング・ホールディング・エイミングを理解しよう

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【ドローイングとフルドローの間に隠された3つの動作】

アーチェリーの構えアンカリング・ホールディング・エイミングを理解しよう

アーチェリーで矢を放つまでの一連の動作は、国や団体によって異なる解釈がなされています。

 

日本で一般的なのは全日本アーチェリー連盟が推奨する射法で、

  1. スタンス
  2. セット
  3. ノッキング
  4. セットアップ
  5. ドローイング
  6. フルドロー
  7. リリース
  8. フォロースルー

の8段階に分割されます。

 

しかし、さらに的中率を上げたいなら、ドローイングとフルドローの間に

  • 「アンカリング・ホールディング・エイミング」

の3つの動作が隠されていることも、知っておかなければなりません。

 

ドローイングからフルドローまでのプロセスを「引き分けて狙う」だけの動作だと軽視しているうちは、なかなか的中率を上げることができないでしょう。

 

そこで今回は、初心者が中級者に上がるために欠かせない「アンカリング・ホールディング・エイミング」の解説をしていきたいと思います。

 

この3種の動作をしっかり理解して、アーチャーとしてひとつ上の段階にレベルアップしていきましょう。

 

 

【アンカリングとは】

ざっくり言うと、アンカリングとは「顔の横に引手を固定する」プロセスです。

 

アンカー(anchor)は英語で錨を意味する言葉で、転じて「しっかり固定する」という意味を持っています。

 

ローアンカーの場合、引手の人差し指のポイントをアゴの下あたりに固定して打つようにするのが一般的です。

 

このとき、弦は鼻・唇・アゴの3点に触れるように固定しておきましょう。

 

アンカリングを行うことで、弓を引き分ける度に、細かい誤差が生じることを防げるようになります。

 

いわば、

  • 自分の顔を正しい引き分け位置を見極めるための物差し

として使ってしまうわけです。

 

そのため、アンカリングは何度行っても、全く同じ位置に入れられるように練習を重ねなければなりません。

 

もしも毎回違う位置にアンカリングしてしまうと、リリースがブレブレになってしまうので、アンカリングが全く意味を成しません。

 

アンカリングの方法には個人差があり、特に日本人は「弦を鼻につけられない」という選手も多いです。

 

弦が鼻につかない場合は、無理にくっつける必要はありませんので、「弦を鼻に引き寄せる」ということを意識して、自分なりのアンカリング位置を見つけてください。

 

無理にくっつけようとすると、顔の角度がズレて的中率が下がってしまいます。

 

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【ホールディングとは】

ホールディングは、弓をいっぱいに引き分けた状態で、そのまま保つことです。

 

英語で「保持する」という意味を持つ「ホールド(hold)」から来ています。

 

ちなみにホールディングを「ドローイング」に含めるか「フルドロー」に含めるかは意見が分かれます。

 

弓を充分に引き分けたら、矢筋を意識しながらしっかりと伸び合います。

 

ここでホールディングを行うことで左右の誤差を無くし、ブレの少ないリリースを行うことできるようになります。

 

ホールディングからの伸び合いは、傍から見てわかるような大きなものではなく、ほんの2〜3ミリの小さな動作です。

 

言うのは簡単ですが、ホールディングは意外と難易度の高い動作で、初心者には大きな壁となりやすいでしょう。

 

少しパワーが必要になるので、筋力で引いてしまう方も多いのですが、余計な筋肉を使うと弓がブレやすくなる上、数秒のホールドもままならなくなります。

 

余計な筋力を使わずホールディングを行うためには、肩甲骨を意識した動きを目指す必要があります。

 

初心者には難しい感覚かもしれませんが、

  • ホールディングは「腕で引く」のではなく「ヒジで後ろを押す」感覚

で行うと成功しやすいです。

 

ヒジから先の部分は状態をキープしたまま動かさず、ヒジを後方に押す力を、効率的に活用できるよう練習しておきましょう。

 

 

【エイミングとは】

エイミングは、顔を的の方向に向けて狙う動作のことです。

 

英語で「狙いをつける」という意味をもつ「エイム(aim)」から来ています。

 

どちらかといえば、エイミングはフルドローに含まれるプロセスだと解釈して構いません。

 

エイミングを行うときは、顔の向きを一定に決め、サイトを的の中心にピッタリと合わせます。

 

正確に的を狙うための動作なので、何度行っても、必ず同じところに弦サイトが来るように練習しておきましょう。

 

弦の位置は、サイトピンの左側に来るように合わせておきます。

 

エイミングは通常、そこまで難しい動作ではありません。

 

指導者によってはエイミングを「しっかりと狙うこと」と、漠然とした指導しか行わないこともあるほどです。

 

実際、エイミングには他の選手と差をつけるほどの、テクニックらしいものはほとんど無いのです。

 

ただ、それはエイミングがアーチャーにとって「できて当たり前のこと」に過ぎないという証明でもあります。

 

エイミングをおろそかにすると、的中率で大きな差が出てしまいますので、あまり深刻に考えたことが無かったという選手は、今一度エイミングのプロセスを見直しておいたほうがよいでしょう。

 


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